発行日 2002年2月1日
Published Date 2002/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2002120520
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外科の臨床で遭遇すると考えられるいくつかの臨床問題を作成し,これに対する外科医101名,医学生291名の回答を解析した.虫垂炎の手術適応の問題では,適応決定にあたり重視するものとして「腹膜刺激徴候」に次いで,外科医は「圧痛の程度」と「腹部CT」を挙げていたが,医学生は「全身状態」と「患者の意向」を大切にしていた.進行胃癌患者に対する病状説明では,外科医は「腹膜播種迄の説明」が多かったが(44%),医学生は「余命迄の説明」が多かった(48%).治療については,外科医で「抗癌剤治療」が多かった(57%)のに対し,医学生は「抗癌剤治療」と「利尿剤や腹腔穿刺」が同等であった(34%,36%).危険な食道静脈瘤がある肝癌患者の治療では,「内視鏡的硬化療法」に次いで,外科医は「肝動脈塞栓化学療法」が多かったが(33%),医学生は「肝右葉切除」が多かった(23%).乳房温存を希望する乳癌患者(T2N1)への対応では,外科医は「温存を断念させて乳房切除」が最も多く(44%),医学生は「化学療法して乳房温存」が圧倒的に多かった(70%)
©Nankodo Co., Ltd., 2002