発行日 2003年1月1日
Published Date 2003/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2003163852
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脳死全肝移植において当初より用いられてきたグラフト肝のドレナージ方法は腎上部下大静脈を置換する下大静脈置換法であったが,1990年以降はレシピエントの腎上部下大静脈を温存したままドナーの下大静脈をドレナージするピギーバック法が盛んとなり,次第に多くの施設でとり入れられるようになった.ピギーバック法の利点として,静-静脈バイパスを省略できること,手術時間・温阻血時間が短縮でき,しかも輸血量の減少・循環動態の安定につながること,結果として早期抜管が可能となり,術後再開腹の頻度の減少につながることがあげられ,今後,全肝移植の場合は悪性腫瘍など特殊なケースを除き多様なピギーバック法の中から術式が選択されていくものと考えられる
©Nankodo Co., Ltd., 2003