特集 食道の炎症を視る
感染性 関連症例 胃癌術後GERDに併発した食道カンジダ症の1例
有馬 美和子
1
,
都宮 美華
,
川島 吉之
1埼玉県立がんセンター 内視鏡科
キーワード:
カンジダ症
,
Fluconazole
,
胃腫瘍
,
胃食道逆流
,
胃切除
,
術後合併症
,
食道鏡法
,
Camostat
,
Lansoprazole
Keyword:
Candidiasis
,
Fluconazole
,
Stomach Neoplasms
,
Esophagoscopy
,
Gastrectomy
,
Gastroesophageal Reflux
,
Postoperative Complications
,
Lansoprazole
,
Camostat
pp.1208-1210
発行日 2019年8月25日
Published Date 2019/8/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2020050965
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70歳代後半、男性。2008年より胃癌術後の逆流性食道炎(GERD)に対しランソプラゾール、カモスタットメシル酸塩を内服中であったが、2011年よりKodsi分類Grade II程度のカンジダ食道炎が出現した。ミコナゾールゲルの経口投与で改善するものの、中止後に再燃を繰り返した。2014年頃にはKodsi分類Grade IVに増悪し、フルコナゾールの長期投与を余儀なくされた。本症例では術後の胃内容排泄遅延に伴う高度の逆流が難治性GERDを生じさせ、同時にPPI(プロトンポンプ阻害薬)の継続が胃内pHを上昇させ、カンジダ食道炎の原因になったと考えられた。そこで、2016年に幽門側胃切除およびRoux-en-Y吻合への変更を行った。その結果、術後に胃内容排出は改善し、抗真菌薬中止後もカンジダ症の再燃は認められなかった。
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