発行日 2002年6月1日
Published Date 2002/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2002267692
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骨盤内血管吻合にさいして血管遮断鉗子の遮断部両側に幅2cmのブレードを装着したAllenberg型血管吻合鉗子を用い,安全かつ快適な手術野を得るための工夫について検討した.骨盤内血管吻合部周辺の腸管,腸骨静脈,尿管,後腹膜結合組織,瘤壁断端が遮断部ブレードで圧排され,端々血管吻合が良好に行えた.鉗子全体長が23.5cmもしくは24.5cmあるため,人工血管脚部走行を障害したり手術操作の妨げになることはなく,鉗子把持部は患者腹壁に乗る位置関係で安定した.内腸骨動脈と外腸骨動脈を同時に遮断して分岐部直上での血管吻合を行うさいの遮断部位は,骨盤底の比較的深い術野であったが,血管吻合は容易であった.内腸骨動脈の吻合は骨盤内で最も術野が深く,腸管,静脈,結合組織,出血の術野侵入の影響を最も受けるが,吻合部への組織侵入が防止され,容易に血管吻合が行えた
©Nankodo Co., Ltd., 2002