発行日 2001年11月1日
Published Date 2001/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2002081998
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44歳男.右鎖骨上窩の腫瘤に気付き受診した.悪性腫傷の転移を疑い上部消化管内視鏡で胸部食道癌を発見した.生検により扁平上皮癌と診断した.右頸部リンパ節郭清を施行した.腫癌は椎骨動脈,内胸動脈に浸潤しており,これらを合併切除し,頸部リンパ節郭清を施行した.病理所見により内分泌細胞癌と診断した.胸部食道全摘,胃管再建,左側頸部郭清を施行した.組織型は高分化扁平上皮癌であった.左頸部リンパ節にはリンパ節としての構築の破壊された内分泌細胞癌の転移巣,胸部リンパ節では気管右及び気管前リンパ節に扁平上皮癌の転移を認めた.術後経過順調で第3週目から上縦隔の残存リンパ節に対しT字照射と5Fuの持続投与を開始した.しかし術後4週目に皮下腫瘤が発現した.病理検索により内分泌細胞癌の転移であった.術後5週目に頭痛を訴えCTにより多発脳転移が発見された.一時退院可能であったが,全経過5ヵ月で死亡した
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