発行日 2001年11月1日
Published Date 2001/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2002081496
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消化管切除後の再建時の器械吻合部の出血及び術中に2例のトラブルを経験した.症例1は56歳女.内視鏡で胃癌を指摘され入院となった.輸血は宗教上の理由で拒否していたが,手術施行した.術後に経鼻胃管チューブより6時間で300mlを超える血性の排液があり,吻合部よりの出血と考え再開腹した.開放した挙上空腸断端より血栓を除去し,食道空腸吻合部の止血を確認した.術18日後には経口摂取を開始した.しかし,全身の多発性骨転移及び癌性リンパ管症を認め術56日後に死亡した.症例2は71歳男.注腸検査で直腸に隆起性病変を指摘され手術目的で入院となった.生検でGroup 4と診断され前方切除術を行った.縫合後に腸管よりTAを離すことができず,紺子を用いTAを挿入し強引に離したところ,断端の一部が閉鎖されていなかった.そこで,更に虹門側を再度TAで縫合切離し,DSTを施行した.術後は特に合併症なく経過し,術16日後に退院した
©Nankodo Co., Ltd., 2001