発行日 2001年4月1日
Published Date 2001/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2001227858
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45歳女.腹痛,嘔吐を主訴とした.腸閉塞症状が3回出現し,入院を繰返していたが,いずれも数日の絶食のみで症状は改善し,経口摂取後も症状の出現は認めなかった.様々な検査にも拘わらず,異常は発見されなかったが,2回目の入院時,小腸にニボーが認められたことから,小腸造影を施行し,小腸腫瘍による腸閉塞と診断した.切除術を施行し,経過は良好であった.腸閉塞を繰返した理由として,病変は全周性の狭窄はあるものの,造影剤をはじめとする流動物の通過は極めて良好であり,消化され難い食餌を摂取し,その蓄積によって閉塞を起こし,数日の絶食中に消化が進んで閉塞が解除されたものと考えられた.なお,小腸造影は部位診断のみならず,確定診断も十分行える検査であり,上下消化管の検査で異常が認められない腹部愁訴を有する例に対して積極的に施行すべきである
©Nankodo Co., Ltd., 2001