発行日 2001年4月1日
Published Date 2001/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2001222615
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肺結核を合併した消化器外科手術3例を報告し,考察を加えた.症例1:70歳男.多発肝転移を伴う進行性胃癌てあり,経口摂取が不能になった.原疾患に対する手術適応はなかったが,経口摂取を可能とするQOLの改善と抗結核薬の内服目的で,胃空腸吻合手術を施行した.症例2:55歳男.胃潰瘍穿孔で汎発生腹膜炎を起こしていた為,緊急手術を行った.術後多剤性菌と判明した為,ピラジナマイドを追加し,排菌は消失した.症例3:65歳男.進行癌で術後肺結核の増悪の危険性を考慮し,術前6週間の抗結核治療を施行した後,胃亜全摘術を行った.術後の経過は良好で,肺結核の増悪もなかったが,胃癌の遠隔転移のため死亡した.手術に踏み切るタイミングは,肺結核の活動性と手術の緊急性を考慮して決定すべきである
©Nankodo Co., Ltd., 2001