発行日 2001年3月1日
Published Date 2001/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2001205899
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乳癌組織におけるPyNPase発現の意義を知る目的で,癌細胞と間質細胞それぞれのPyNPase発現を免疫染色で評価し,予後および,臨床病理学的因子との関連を検討した.原発性乳癌で手術を行った130例(全例女)を対象とした.摘出標本を10%中性ホルマリンで固定後,パラフィン包埋し,切片を作成した.マイクロウエーブ処理後,マウス抗PyNPaseモノクローナル抗体の500倍希釈液を一次抗体とし,Envisionを用いたABC法で免疫染色を行った.その結果,判定不能であった1例を除き,癌細胞陽性と判定した症例は79例,陰性と判定した症例は50例であった.陽性例と陰性例での無再発生存曲線,術後生存曲線の検討では2群間の無再発生存率,術後生存率に有意差を認めなかった.PyNPase発現と臨床病理学的因子との関連性を検討した.その際,tnm分類での病期は2群に分け,腫瘍径に関しては平均以上の群と平均未満の2群に分類した.その結果,癌細胞陽性例では組織学的リンパ節転移陽性例が有意に多かった
©Nankodo Co., Ltd., 2001