手術の工夫
ポリエチレン糸を用いたユニークな胸骨閉鎖法
安藤 敬
1
,
秋山 大地
,
岡田 拓
,
古川 浩
,
竹田 誠
1労働者健康安全機構横浜労災病院 心臓血管外科
キーワード:
胸骨
,
縫合糸
,
開心術
,
胸骨切開術
,
創閉鎖法
,
Ultra-High Molecular Weight Polyethylene
Keyword:
Sternum
,
Sutures
,
Sternotomy
,
Wound Closure Techniques
,
Ultra-high Molecular Weight Polyethylene
pp.1055-1058
発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017239784
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胸骨正中切開による開心術を行なった。89例(男性49例、女性40例、平均年齢68.5±11.6歳)に対して超高分子ポリエチレン系糸(UHMWP)を用いて胸骨閉鎖を行った。その結果、術中の胸骨離断はなかったが、縦隔炎が2例にみられた。いずれも感染リスクの高い症例であり、臨床経過からUHMWP由来の感染とは考えづらかった。UHMWPはステンレスワイヤーより滑りやすくタイティングガンを使用することで機械的に締結できるため術者による差はなかった。今後は糸の結び目などの改良ができれば、UHMWPでの胸骨閉鎖法は拡大するものと考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2016