発行日 2016年9月1日
Published Date 2016/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016402998
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1歳1ヵ月女児。在胎39週6日目に経腟分娩で出生(体重2860g)、1ヵ月健診で心雑音が聴取された。日齢59に肺動脈抗扼術が施行され、外来にて経過観察が行われていたが、今回、修復術目的で入院となった。聴診にて胸骨左縁第4肋間に最強点をもつ汎収縮期雑音が聴取され、BNPは32.1pg/ml、心エコーの四腔断面像では心室中隔中央に筋性部心室中隔欠損症(VSD)が認められた。また、左室短軸像ではVSDが乳頭筋レベルより心尖の中隔前よりに認められ、VSDサイズは5.8×10.7×5.7mmで、心尖からVSD下縁の距離は7.3mmであった。治療として胸骨正中切開して、癒着剥離後に人工心肺を開始したところ、VSDは調節筋近傍に存在していた。そこで、右房-左房-僧帽弁-VSD-左室の順で直角鉗子を通した後、Nelatonチューブを把持してVSDを通過させた。次いでVSD径の1.5倍の直径15mmのVSDパッチをNelatonチューブ断端に取り付け、左室側のVSDまで誘導後、右室側のVSDパッチをVSD間で誘導してパッチの中央で結紮し、sandwich法でVSDを閉鎖した。その結果、術後21日目に退院となったが、術後1年経過で心カテーテルに遺残短絡が極少量認められた。
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