発行日 2015年6月1日
Published Date 2015/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015363212
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61歳男。肺癌に対する右下葉切除術後に気瘻が遷延し、術後16日目の気管支鏡検査にて気管支断端瘻と診断した。胸腔ドレナージを継続することで気管支断端は治癒傾向を認め、術後114日目に気瘻の消失を確認し、胸腔ドレーンを抜去し退院となった。しかし、退院後右背部痛が徐々に増強し、術後154日目に咳嗽と発熱のため再入院となった。再入院時の胸部CTでは気胸腔の拡大を認め、気管支鏡検査では下葉気管支断端が完全に離開していたため、経鼻エアウェイを用いた胸腔ドレナージを行った。経鼻エアウェイ挿入後は解熱し、咳嗽の消失を認めた。経鼻エアウェイ留置後36日目に経鼻エアウェイを留置した状態で自宅退院し、66日目に浸出液の消失を確認し、経鼻エアウェイを抜去した。術後5年の現在、気管支断端周囲の気胸腔は縮小したままで、肺癌の再発も認めない。
©Nankodo Co., Ltd., 2015