胸部外科の指針
体外式補助人工心臓装着患者のポンプ内血栓に対する一時的遠心ポンプ
木村 光利
1
,
木下 修
,
縄田 寛
,
山内 治雄
,
井戸田 佳史
,
星野 康弘
,
柏 公一
,
久保 仁
,
黒澤 秀郎
,
高橋 舞
,
古賀 早也香
,
小野 稔
,
松居 喜郎
,
松宮 護郎
1東京大学
キーワード:
血栓症
,
心筋梗塞
,
心筋症-拡張型
,
心臓補助機器
,
評価研究
,
遠心ポンプ
Keyword:
Cardiomyopathy, Dilated
,
Evaluation Studies as Topic
,
Heart-Assist Devices
,
Myocardial Infarction
,
Thrombosis
pp.323-331
発行日 2015年5月1日
Published Date 2015/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015298891
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ニプロ体外式補助人工心臓(VAD)装着患者のうち、繰り返すポンプ内血栓症に対して一時的なRotaflow遠心ポンプを使用した9例について検討した。Rotaflowによる循環補助は計25回行われ、使用期間の中央値は15日(2~128)であった。血液ポンプ交換前後の血液検査では、RotaflowからニプロVADへのポンプ交換後に3.0以上の有意なHct値の低下を認めたが、交換前後で肝・腎機能に有意な変化は認めなかった。Rotaflowの使用中、ポンプ交換が必要と判断された血栓形成は1回のみで、また脳血管障害発生率は1.39回/患者・年であった。しかし、Rotaflowにて循環補助中の患者はニプロVAD装着中の患者に比べ離床やリハビリテーションが困難で、器機の取り扱いに慣れた集中治療室での管理を要した。
©Nankodo Co., Ltd., 2015