手術の工夫
Barlow病に対する後尖のW型切除による僧帽弁形成術
宮坂 成人
1
,
森本 啓介
,
西村 謙吾
,
藤原 義和
1鳥取県立中央病院 心臓血管外科
キーワード:
心エコー図
,
僧帽弁逸脱
,
僧帽弁形成術
,
メイズ手術
Keyword:
Echocardiography
,
Mitral Valve Prolapse
,
Mitral Valve Annuloplasty
pp.90-93
発行日 2015年2月1日
Published Date 2015/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015140381
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Barlow病変をはじめとする僧帽弁後尖の広範な逸脱を示す症例では、後尖が拡大し弁高が高いことがしばしば問題となる。このような症例に対しては、遠隔期の再発を予防するため、あるいは周術期の収縮期前方運動(SAM)を予防するためにも後尖の切除が必要と考えられる。今回著者等は、後尖の中央をW型に切除し縫合することで良好な結果が得られたので、その詳細を報告した。術式の概要は、拡大した後尖の切除ラインをW型とし、中央の山の高さが最終的な後尖の高さとなるように低くデザインする。切除した後尖の弁尖どうしを縫合すると、後尖の形態は三日月形となり、弁の面積と高さを減少させることができた。本法は、弁高を意図した高さに下げることが容易にできるため、SAMの予防という観点から有用な方法と考えていた。
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