胸壁・横隔膜の手術-その2 腫瘍
横隔膜腫瘍に対する手術症例の検討
二反田 博之
1
,
田口 亮
,
山崎 庸弘
,
坂口 浩三
,
石田 博徳
,
金子 公一
1埼玉医大国際医療センター 呼吸器外科
キーワード:
横隔膜
,
胸部腫瘍
,
中皮腫
,
粘液腺癌
,
シネMRI
,
後向き研究
,
Gastrointestinal Stromal Tumor
,
胸部CT
Keyword:
Adenocarcinoma, Mucinous
,
Diaphragm
,
Mesothelioma
,
Retrospective Studies
,
Thoracic Neoplasms
,
Magnetic Resonance Imaging, Cine
,
Gastrointestinal Stromal Tumors
pp.982-989
発行日 2014年10月1日
Published Date 2014/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015008979
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2010年9月~2011年8月の期間で横隔膜に発生した腫瘍に対し手術した3例(男性2例、女性1例、36~64歳)を対象に、後方視的に検討し、画像診断でMRIの果たす役割について検討した。3例とも右側の横隔膜腫瘍で内訳は膠様腺癌、胃発生の消化管間質腫瘍、横隔膜限局の胸膜中皮腫であった。CT所見は1例が嚢胞性、2例が充実性腫瘍であった。呼吸シネMRIではいずれの腫瘍も腫瘍と横隔膜の間でスライディングは認められなかった。2例は腫瘍が下大静脈と近接していたがシネMRIで下大静脈との間にはスライディングは認められ癒着はないと考えられた。手術に関しては下大静脈の観察が必要な2例は第7肋間、他の1例は第9肋間で開胸し、胸腔鏡補助下に行った。いずれの症例も下大静脈や肺への浸潤は認められなかった。全層あるいは腹膜を残して横隔膜の合併切除を行い、欠損部は短径で4~5cmであったため全例で非吸収糸による縫合閉鎖が可能であった。
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