腎

多相撮影を行うMDCTは,腎細胞癌の検出･サブタイプ診断･病期診断･リンパ節転移･遠隔転移を評価する有効なモダリティである。MRIは補助的な役割となる。腎に限局する病期T1(場合によりT2)では,nephron-sparing surgeryが選択される。腎外に進展するT3は腎全摘出術が施行される。T3aのうち腎周囲腔や腎洞部の脂肪織浸潤については画像診断の限界がある(低い陽性適中率)。しかし,thin slice CT多断面画像を駆使して,偽被膜の有無･腎周囲腔や腎洞部脂肪織への浸潤･静脈進展を詳細に評価することは,予後予測に貢献できる可能性はある。