高齢者の感染症はこう診る-外来・病棟から在宅まで 高齢者で頻度の高い感染症 診断と治療各論
尿路感染症
堀野 哲也
1
1東京慈恵会医科大学 感染制御部
キーワード:
生物学的マーカー
,
抗細菌剤
,
尿路感染症
,
予後
,
評価基準
,
無症候性疾患
,
Procalcitonin
Keyword:
Calcitonin
,
Anti-Bacterial Agents
,
Prognosis
,
Urinary Tract Infections
,
Biomarkers
,
Asymptomatic Diseases
pp.765-768
発行日 2014年11月1日
Published Date 2014/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015016019
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頻尿や排尿痛,脊椎肋骨角の叩打痛などの典型的な尿路感染症の症状を呈さないことも多く,せん妄や生活機能の低下も尿路感染症を疑う重要な所見である.無症候性細菌尿の頻度が高いため,細菌尿や膿尿というだけで抗菌薬を投与する適応にはならない.ディップスティック法は,尿路感染症を除外するために有用な検査である.プロカルシトニンが正常範囲内であっても,尿路感染症を否定することはできない.患者の入院歴や地域の薬剤感受性の動向を考慮して抗菌薬を選択する.クランベリージュースの尿路感染症の予防効果については,さらなる研究が必要である.
©Nankodo Co., Ltd., 2014