臨床と研究
非透析慢性腎不全開心術例に対するtolvaptanの有効性
里 学
1
,
中山 義博
,
川崎 裕満
,
迎 洋輔
,
井戸 弘毅
1大隅鹿屋病院 心臓血管外科
キーワード:
Creatinine
,
Furosemide
,
ICU
,
Atrial Natriuretic Factor
,
冠動脈疾患
,
血液透析
,
高ナトリウム血症
,
術後管理
,
心臓弁膜症
,
腎不全-慢性
,
多剤併用療法
,
血中尿素窒素
,
治療成績
,
開心術
,
Tolvaptan
Keyword:
Blood Urea Nitrogen
,
Coronary Disease
,
Creatinine
,
Drug Therapy, Combination
,
Furosemide
,
Heart Valve Diseases
,
Renal Dialysis
,
Hypernatremia
,
Kidney Failure, Chronic
,
Intensive Care Units
,
Atrial Natriuretic Factor
,
Postoperative Care
,
Treatment Outcome
,
Tolvaptan
pp.186-189
発行日 2014年3月1日
Published Date 2014/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014204284
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慢性腎不全ステージ4~5の非透析患者で、開心術後早期にtolvaptanを投与した5例について検討した。投与開始日は4例が術後1~2日、1例が術後9日であった。血行動態が不安定となる懸念もあり、全例で投与早期は集中治療室管理を行った。投与開始後数時間で水利尿効果を認めたが、血圧低下などの循環動態の悪化はなかった。初回投与量や投与期間は、反応をみながら個々の症例で調節した。全例がfurosemideと心房性Na利尿ペプチドとの併用となったが、特に問題なく使用できた。1例に高Na血症を認めたが、投与中止で軽快した。なお、その後再投与した際には高Na血症は認めなかった。体重は、tolvaptan投与により5.2~27.4(平均12.2)kg減少した。緊急透析を行なった症例はなかったが、2例で一時的に血液透析を必要とした。在院死亡はなく、入院中に維持透析へ移行した症例はなかった。胸腔穿刺は1例で必要であった。
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