発行日 2013年9月1日
Published Date 2013/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013305795
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症例は70歳男性で、大腸ポリープの経過観察でCEA上昇を指摘され、消化管精査では異常を認めず、胸部CTで右S6~S10に約15mm大の結節が発見された。血液検査で白血球・好酸球は正常であり、呼吸機能は閉塞性障害が認められたが、その他に異常所見はなかった。PETでは右S6~S10結節のみに軽度集積が認められた。右肺癌を疑い、手術を施行した。右半側臥位、胸腔鏡補助下に胸腔内を観察したところ、腫瘍はほぼ円形の隆起性病変で、右下肺静脈のごく近傍に存在したため、部分切除および区域切除は困難と判断し、右下葉切除術を施行した。摘出標本で白色充実性、32×18mm大の腫瘍を認め、病理組織所見では菌体、肉芽組織、悪性所見を認めず、好酸球・マクロファージを主体とする炎症所見がみられ、慢性好酸球性肺炎と診断した。術後2ヵ月経過し、再発はない。
©Nankodo Co., Ltd., 2013