発行日 2012年8月1日
Published Date 2012/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012318844
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症例は40歳女性で、話しにくさから物が二重に見えるようになり、目を開けにくくなって受診した。中枢神経系に異常はなく、テンシロンテスト陽性であった。CTで前縦隔に異常所見はなく、全身型筋無力症と診断され、炭酸ガス送気装置で胸腔内を加圧し、胸腔鏡下に拡大胸腺摘出術を行った。右第4肋間前脇窩線から気密性ポートを挿入して胸腔内を観察後に炭酸ガスを送気した。次いで右第5肋間前脇窩線と右第3肋間前脇窩線に気密性ポートを追加し、右横隔膜から横隔神経に沿って胸腺組織と周囲脂肪組織を左腕頭静脈が露出するまで剥離した。左側も同様にポートを挿入して胸腺組織と周囲脂肪組織を剥離した。手術時間は162分、出血量は5mlであった。摘出標本は大部分が脂肪組織で、少量の胸腺遺残が認められた。術後経過は良好で3日目に退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2012