胸腔鏡を用いた縦隔疾患の手術適応とその手技
胸腔鏡のみのアプローチ 胸腺疾患に対する胸腔鏡下胸腺切除術の適応と展望
松本 桂太郎
1
,
山崎 直哉
,
土谷 智史
,
宮崎 拓郎
,
林 徳真吉
,
田川 努
,
永安 武
1長崎大学 腫瘍外科
キーワード:
胸腺腫
,
胸腺摘出術
,
重症筋無力症
,
縦隔嚢胞
,
治療成績
,
ビデオ下胸腔鏡手術
,
腫瘍量
Keyword:
Mediastinal Cyst
,
Myasthenia Gravis
,
Thymectomy
,
Thymoma
,
Treatment Outcome
,
Thoracic Surgery, Video-Assisted
,
Tumor Burden
pp.955-959
発行日 2012年10月1日
Published Date 2012/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013124369
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著者らが胸腺疾患に対し胸腔鏡下胸腺切除術を行った27例について検討した。内訳は重症筋無力症(MG)を伴わない胸腺腫が10例、MGを伴う胸腺腫が3例、MGが2例、胸腺嚢胞が12例であった。年齢はMG例の35歳以外は平均50~60歳で、80歳の胸腺腫例もみられた。術後の病理検査においては全例、正岡分類がIまたはII期で、胸腺腫のサイズは最大径が50mm以下であった。術式は胸腔鏡下手術20例、胸腔鏡補助下手術4例、吊り上げ式手術3例であった。術式別には出血量は胸腔鏡下手術で少なく、手術時間は小開胸例が短い結果となった。だが、胸腔鏡下手術の場合、体位変換の症例も含まれるため手術操作による大きな差はなかった。尚、合併症は横隔神経麻痺を2例、術後の出血遷延を1例にみられた。
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