発行日 2011年8月1日
Published Date 2011/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2011338815
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64歳女性。半年前から坂道、登坂で呼吸苦が出現していた。今回、自宅で突然に呼吸困難となり救急搬送され、僧帽弁閉鎖不全に伴ううっ血性心不全と診断された。入院後、内科的治療で心不全は改善したが、心エコーではP2-P3を中心に僧帽弁逸脱に伴う高度の僧帽弁逆流と心房中隔瘤(ASA)が認められ、手術が施行されることとなった。術中所見では僧帽弁はP2-P3のラフゾーン腱索が断裂し、逆流テストでは同部位からの逆流が認められた。そこで、僧帽弁形成術としてP2-P3の矩形切除を行い、Physio ringを用いて弁輪を形成した。そして次にASAを切除してポリエステル性心膜シートを使用し、心房中隔再建を行った。その結果、術後の経過は良好で術後第16病日目に軽快退院となった。尚、術後2ヵ月の胸部X線像では心胸郭比53%であった。
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