大動脈基部置換術
自己弁温存 結合織異常を伴った大動脈弁輪拡張症に対する自己弁温存基部置換術の遠隔成績
田中 裕史
1
,
荻野 均
,
松田 均
,
湊谷 謙司
,
佐々木 啓明
1国立循環器病センター 心臓血管外科
キーワード:
Marfan症候群
,
結合組織
,
再手術
,
大動脈置換術
,
Loeys-Dietz症候群
,
大動脈弁輪拡張症
Keyword:
Connective Tissue
,
Marfan Syndrome
,
Reoperation
,
Loeys-Dietz Syndrome
pp.978-981
発行日 2009年10月1日
Published Date 2009/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009358784
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切除した大動脈壁に嚢状中膜壊死を認めた大動脈弁輪拡張症に対し、自己弁温存基部置換術を行った80例の遠隔成績を調査した。術式はremodeling法14例、reimplantation法66例で、reimplantation法の内訳は、sinusを作成しなかったtube graftを用いた症例が41例、tube graftを使用しsinusを作成した症例が11例、Valsalva graftを用いた症例が14例であった。手術死亡例はなく、再手術は17例に施行され、再手術の理由は感染4例、大動脈弁閉鎖不全症(AR)13例であった。再手術の回避率は、5年、10年で各々80%、43%であった。III度以上のARの回避率は、5年、10年で各々80%、54%であった。術式別では再手術の回避率に有意差を認めなかった。再手術のリスクファクターをproportional hazard analysisで検討したところ、術前のsinus径60mm以上、術後の残存AR II度以上、術後のeccentric AR jetがリスクとなった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009