発行日 2008年8月1日
Published Date 2008/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008300305
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
72歳女。労作時呼吸困難を主訴とした。胸部CTにて右胸水および胸膜肥厚像を認め、横隔膜上に胸膜プラークを認めた。胸水中ヒアルロン酸は65400ng/mlと高値であった。セミフレキシブル胸腔鏡を用いた局所麻酔下胸腔鏡を行ったが、胸膜が硬く通常鉗子での生検が行えなかったため、高周波(IT)ナイフを用いた生検を行った。0.5%リドカインと0.005%エピネフリンを添加した生理食塩水を目的部位に数ヶ所注入して胸膜を膨隆させ、胸膜に1ヶ所ピンホールを空けてITナイフにより全周切開を行い、胸膜を全層剥離し生検鉗子で把持摘出した。局注開始から検体摘出までは21分、施行中の胸膜痛は認めず出血も軽微であった。病理組織学的に上皮型胸膜中皮腫と診断され術後化学療法を行ったが、呼吸不全が進行し1年後に死亡した。
©Nankodo Co., Ltd., 2008