発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2004211500
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1997年8月~2002年12月の間に上大静脈(SVC)内にステントを留置した14例(男11例,女3例,43~82歳,平均61.9±11.7歳)を対象とした.原疾患は原発性肺癌11例,転移性肺癌2例,浸潤性胸腺腫1例であった.狭窄部位はSVCのみ6例,SVCおよび右腕頭静脈5例,SVCおよび左右腕頭静脈3例で,全例右大腿静脈にシースを挿入し,ガイディングカテーテル,ガイドワイヤーをSVC内に挿入した.留置ステントの機種はWallstent11例,Easy Wallstent3例で,バルーン拡張術を要した症例は8例であった.ステント留置前の静脈圧は8~44mmHg,留置後は5~44mmHgで,p<0.05と有意に低下していた.ANPは術前22.7±9.1pg/mlで,ステント留置後1,3,5日はそれぞれ29.3±10.5,28.7±11.3,33.7±6.8pg/mlであった.BNPは術前22.0±3.8pg/mlで,ステント留置後1,3,5日はそれぞれ30.5±5.8,29.1±8.8,31.0±5.3pg/mlであった.予後は4例生存し,その観察期間は33~487(平均255.3±161.4)日であった.死亡例はすべて癌死であった.SVC症候群に対してのSVCステント留置では,心負荷を考慮した留置前後の対応が重要であると考えられた
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