心・肺移植後の合併症
肺移植 感染性肺疾患に対する生体肺移植
伊達 洋至
1
,
山根 正修
,
豊岡 伸一
,
岡崎 恵
,
大藤 剛宏
,
佐野 由文
,
五藤 恵次
1岡山大学 大学院
キーワード:
嚢胞性線維症
,
Imipenem
,
Kartagener症候群
,
Pseudomonas aeruginosa
,
Pseudomonas Infection
,
Staphylococcus aureus
,
Vancomycin
,
気管支拡張症
,
細気管支炎
,
肺移植
,
肺炎-ブドウ球菌性
,
メチシリン耐性
,
Meropenem
Keyword:
Bronchiectasis
,
Bronchiolitis
,
Cystic Fibrosis
,
Kartagener Syndrome
,
Pneumonia, Staphylococcal
,
Pseudomonas aeruginosa
,
Pseudomonas Infections
,
Staphylococcus aureus
,
Vancomycin
,
Lung Transplantation
,
Methicillin Resistance
,
Imipenem
,
Meropenem
pp.1005-1009
発行日 2007年10月1日
Published Date 2007/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007346106
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生体肺移植を受けた47例のうち感染性肺疾患5例を対象として、その感染症対策や術後経過を検討した。疾患の内訳は、先天的に気道上皮の線毛細胞に異常のあるprimary ciliary dyskinesiaが2例、びまん性汎細気管支炎、嚢胞性肺線維症、原因不明の気管支拡張症が各1例であった。いずれも高炭酸ガス血症がみられた。4例に副鼻腔炎を認め、活動性副鼻腔炎の2例では移植前に全身麻酔下あるいは局所麻酔下に副鼻腔のドレナージ手術を施行した。喀痰鼻腔培養にて全例で緑膿菌あるいはメチシリン耐性黄色ブドウ球菌が検出され、感受性を参考にして生体肺移植数日前から抗生物質投与を開始した。手術では人工心肺を使用し、2名のドナーの右あるいは左下葉をレシピエントの両肺として移植した。移植後は4例で気管切開を要したが、術後肺炎を生じた症例は無かった。移植後17~104ヵ月の観察期間で5例とも生存中であり、酸素療法から開放され、社会復帰を果たした。感染性肺疾患に対する生体肺移植は、適応を慎重に検討し、注意深い感染対策を施行することにより良好な結果が期待されることが示唆された。
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