特集 一人の診察であわてないために!病状と検査結果から導き出す確定診断のコツ
病院の外で 心肺停止への対応 院外でいきなり遭遇したときにどう対応するか?
遠藤 彩佳
1
1東京都済生会中央病院 循環器内科
キーワード:
救急医療サービス
,
心肺蘇生法
,
電気的除細動
,
除細動器
,
院外心停止
Keyword:
Emergency Medical Services
,
Electric Countershock
,
Cardiopulmonary Resuscitation
,
Defibrillators
,
Out-of-Hospital Cardiac Arrest
pp.57-62
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2018029939
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My Answer
臨床の現場で働いていると,心肺停止患者〔院内心停止(in-hospital cardiac arrest1; I H C A)〕に遭遇する機会は決してまれなことではなく,誰でも一度は心肺蘇生 (cardiopulmonary resuscitation;CPR)の現場を経験しているはずである。しかし院外 では,さすがにドラマのように心肺停止患者〔院外心停止(out-of-hospital cardiac arrest;OHCA)〕には遭遇しないだろうと心の中で思っていないだろうか? たとえ遭遇し たとしても,臨床現場で働く自分ならば落ち着いて正しく心肺蘇生法(cardiopulmonary resuscitation;CPR)を実施できると思っていないだろうか? 現在,消防庁の蘇生統計に よると,日本で救急搬送されるOHCAは年々増加しており,平成27年で年間12万3,421人, うち心原性OHCAは7万人を超えている。そのうち約30%が市民によって心停止の現場を 目撃されており,OHCAの約20%が公共の場で発生している現状からは,決してドラマの 世界だけの話ではない(図1)1)。筆者も,医者人生で1度だけ院外で心肺停止に近い状況に 遭遇したが,想像以上に無力だったことを覚えている。日々の現場とは違い,院外で突然遭 遇すると気持ちが焦り,視野が狭くなり,思考や動作が止まり,日々実施しているCPRが難 しく感じる状況に陥る。どんな状況下でも落ち着いて正しくCPRが実施できるよう,日々の 臨床現場から意識して準備をすることが大切である。
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