発行日 2006年9月1日
Published Date 2006/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007100273
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切除した2cm以下の末梢肺腫瘤223例223病変(男134例、女89例、27~86歳、平均年齢61.4±6.1歳)を対象に、術前の高分解能CT(HRCT)の所見で、内部濃度solid(充実型)、mix GGO(すりガラス状[充実型+含気型])およびpure GGO(含気型)、辺縁の性状、Spiculatorもしくは胸膜陥入像の有無、空洞の有無、撒布影の有無について検討した。その結果、悪性疾患68.6%、良性疾患31.4%であった。HRCT所見上の内部濃度はsolidは良・悪性とも種々の疾患が混在していた一方で、mix GGOでは92.0%が悪性疾患(腺癌)であり、全例が野口分類typeA.B腺癌であった。組織学的には腫瘍細部が肺胞上皮を置換性に増殖する部分が反映されていた。solidの悪性疾患は全例irregularであった。Spiculatorもしくは胸膜陥入所見では腺癌の75.2%、扁平上皮癌の全例に同所見が見られ、そのうち実際に悪性であったものは73.4%に過ぎず、他は非特異的炎症性疾患や抗酸菌感染症などでも認められた。撒布影の有無では、有するものは2.6%であったが全て良性疾患であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2006