発行日 2006年12月1日
Published Date 2006/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007094854
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心臓血管外科手術例57例を対象に術後のCRP、WBCおよび体温を経時的に測定し、術後創感染(SSI)との関連について検討した。術後SSI例と感染性心内膜炎(IE)例を除いた49例のCRP推移では、術後第2~3病日にピークを認めたのに対し、術後SSI例では明らかに異なるCRP推移パターンを示した。IE(+)とIE(-)例との比較では、IE(+)例が全経過を通して有意に高値であった。尚、手術式別によるCRP推移に有意差はみられなかった。49例のWBC平均値は帰室直後に高値となり、以後、漸減する傾向を示したが、各症例で一定の傾向はなく、また術後SSI例やIE(+)例と有意差はなかった。49例の体温平均値は帰室直後が最低となり、帰室後8時間でピークを示し、その後漸減する傾向を示したが、術後SSI例では第3病日以降に38℃以上の上昇がみられ、IE(+)例はIE(-)に比し有意に高値で経過した。以上より、心臓血管外科領域における術後SSIの早期発見には、CRPの術後推移パターンが極めて有用であることが示唆された。
©Nankodo Co., Ltd., 2006