発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007050567
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74歳男。70歳時にelephant trunk(ET)法を用いた弓部全置換術(TAR)を施行、71歳時に腹部大動脈瘤でY字型人工血管置換術を行っている。今回、背部痛により下行大動脈瘤の切迫破裂を疑い手術目的で入院した。軽度の貧血と腎機能異常を認め、X線より左大1、4弓突出と軽度の心拡大、CT所見より最大径6.5cmの下行大動脈瘤を認め、MDCTにてTh10から出るAdamkiewicz動脈(AKA)が描出され、3-DCTでは瘤内にETとして留置された人工血管を確認した。手術前に透視下で右上腕動脈からET部の人工血管内にニプロオクルージョンバルーン(OB)を留置し、左第4肋間開胸、右大腿動脈送血・経右大腿静脈右房脱血にてF-Fバイパスとし、OBにて中枢側のET部人工血管を遮断し、末梢側下大動脈を遮断後に瘤を切開した。瘤内の人工血管を確保し遮断後にOBを抜去して、以後は通常通り人工血管を用いて下行大動脈置換を行った。手術当日に抜管し術後24日に退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2006