症例
診断に難渋した総肺静脈還流異常症の1例
宮村 文弥
1
,
総崎 直樹
,
江頭 政和
,
江頭 智子
,
水上 朋子
,
漢 伸彦
,
高柳 俊光
1国立病院機構佐賀病院 小児科
キーワード:
胸部X線診断
,
心エコー図
,
鑑別診断
,
医療的患者移送
,
一酸化窒素
,
開心術
,
肺静脈還流異常
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Patient Transfer
,
Nitric Oxide
,
Echocardiography
,
Radiography, Thoracic
pp.128-131
発行日 2019年1月1日
Published Date 2019/1/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00648.2019141087
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症例は在胎37週4日に出生した女児で、分娩直後より重篤な呼吸障害を示し、胸部単純X線写真では肺野は全体の透過性低下と網粒状影を認め、右肺優位に間質陰影の増強がみられた。心臓超音波検査では右心系の拡大があり、生後4時間の時点で右心系の拡大進行と心房間および動脈管での右左シャントを認めた。新生児遷延性肺高血圧症として一酸化窒素吸入療法を開始したが、生後13時間目に下行大動脈と下大静脈との間を走行する垂直静脈を認め、総肺静脈還流異常下心臓型(III型)と診断した。転院搬送してdirect anastomosisを行い、術後4年経過現在、吻合部狭窄などをきたすことなく心機能は良好に保たれており、発達発育も良好である。
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