発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005130138
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慢性有瘻性結核性膿胸に開放性排膿術(開窓術)を行った33例を対象に,臨床像と治療成績を検討した.術後の平均観察期間は34ヵ月であった.術後6ヵ月以内に死亡した7例は全例70歳以上で,いずれも死因は術後膿胸関連呼吸器合併症で,開窓術にても感染のコントロールが難しかった.胸腔内起因菌は緑膿菌やMRSAなど耐性菌が多く,%VCは平均40%と拘束性肺機能障害が高度であった.開窓術後に根治術を行い閉窓できた9例は平均64歳で,経過観察期間中,全例生存で膿胸の再燃は認めなかった.胸腔内起因菌は結核菌が5例と最多で,AspergillusやMRSAの症例では根治術までの期間が長かった.開窓術後,開窓したままの17例(52%)は平均71歳で,7例が生存中であり,他の10例は,慢性膿胸に合併した癌死2例,感染のコントロールがつかず膿胸関連死2例,突然膿胸腔から出血をきたして死亡1例,その他の例の死因は他病死であった.胸腔内起因菌はAspergillusが多く,術前後に在宅酸素療法を導入した症例は根治術が行えなかった
©Nankodo Co., Ltd., 2005