発行日 2005年4月1日
Published Date 2005/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005175809
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70歳男性.患者は呼吸困難で他院を受診,前壁梗塞の診断で治療されたが心不全増悪と心室頻拍が出現し,気管内挿管後に著者らの施設へ転院となった.所見では,X線で心胸郭比(CTR)が63%,中等度の肺うっ血を認め,心電図ではQS波,R波減高とST上昇を認めた.点滴静注を行なうも心不全は改善せず,入院6日目には突然心原性ショックを来し,心エコーでは心嚢水貯留が認められた.更に穿刺によるドレナージを行うことで血圧は回復したものの,再度血圧低下が生じ,また心嚢水の増加も認められ緊急手術を行った.その結果,心嚢切開で多量の凝血塊と血液を認めたが,左室自由壁に明らかな出血点は認めなかった.そこで体外循環を確立後,自由壁にinfarct exclusionを施行した.術後は高度の心不全の遷延で長期の循環補助を要したが,その後,39ヵ月経過現在,心不全症状はなく,自宅で車椅子にて生活している
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