特集 抗腫瘍血管新生療法の新展開
腫瘍血管の分子生物学的特徴
樋田 京子
1
,
間石 奈湖
1北海道大学遺伝子病制御研究所 フロンティア研究ユニット血管生物学研究室
キーワード:
腫瘍遺伝子発現調節
,
病的血管新生
,
血管内皮
,
腫瘍幹細胞
,
腫瘍マーカー
,
酸素欠乏
,
血管新生阻害物質
,
新薬開発
,
内皮細胞
,
腫瘍微小環境
,
医薬品の適応拡大
Keyword:
Hypoxia
,
Endothelium, Vascular
,
Neovascularization, Pathologic
,
Biomarkers, Tumor
,
Neoplastic Stem Cells
,
Gene Expression Regulation, Neoplastic
,
Angiogenesis Inhibitors
,
Endothelial Cells
,
Drug Discovery
,
Drug Repositioning
,
Tumor Microenvironment
pp.19-22
発行日 2015年12月22日
Published Date 2015/12/22
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抗VEGF抗体をはじめとする現在の血管新生阻害剤は,多くのがん患者の予後の改善をもたらした.しかし,副作用,薬剤抵抗性,治療効果の面で克服しなければならない問題点もある.近年,腫瘍血管は正常血管と比較し,様々な点で異なることがわかってきた.また,腫瘍血管内皮細胞の性質もこれまで考えられていたよりもはるかに複雑な性質を持つことが明らかになってきた.正常とは異なる腫瘍血管の分子生物学的な特異性の理解は新しい治療戦略構築に重要である.本稿では,腫瘍血管内皮細胞の分子生物学的な特徴に関する最近の研究について概説する.
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