特集 ストレス応答性転写因子:その新機能とがん、免疫・代謝・変性疾患との関係
短周期リズムを刻むHes因子による分化制御
影山 龍一郎
1
1京都大学ウイルス研究所
キーワード:
遺伝子発現調節
,
細胞分化
,
器官形成
,
肋骨
,
イントロン
,
神経幹細胞
,
生理学的フィードバック
,
光遺伝学
,
転写因子HES-1
,
HES7 Protein
,
ASCL1 Protein
,
脊椎肋骨異形成症
,
体節形成
Keyword:
Transcription Factor HES-1
,
Cell Differentiation
,
Gene Expression Regulation
,
Introns
,
Ribs
,
Feedback, Physiological
,
Organogenesis
,
Neural Stem Cells
,
Optogenetics
,
ASCL1 Protein, Human
,
HES7 Protein, Human
pp.716-721
発行日 2014年6月22日
Published Date 2014/6/22
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
bHLH型転写因子 Hes1や Hes7はネガティブフィードバックによって 2〜 3時間という短周期で発現が自律的に振動する.多分化能を持つ神経幹細胞でも Hes1の発現は振動するが,発現が定常になると多分化能や増殖能が維持できなくなった.また, Hes7の発現は体節形成過程で振動するが,発現が定常になると体節が癒合した.以上から, Hes1やHes7は単に発現すればよいのではなく,短周期で振動するというきわめてダイナミックな発現動態が重要であることがわかった.本稿では, Hes1や Hes7について発現振動と機能との関係について概説する.
Copyright © 2014, Gakken Medical Shujunsha Co., Ltd. All rights reserved.