特集 毛髪再生のメディカルサイエンス:毛は生やせるか?
iPS細胞から毛を作る
大山 学
1
1慶応義塾大学 医学部皮膚科学教室
キーワード:
メラニン細胞
,
角化細胞
,
毛
,
再生
,
細胞分化
,
脱毛症
,
毛包
,
間葉
,
iPS細胞
,
植毛
,
毛乳頭
Keyword:
Alopecia
,
Cell Differentiation
,
Hair
,
Mesoderm
,
Melanocytes
,
Regeneration
,
Keratinocytes
,
Hair Follicle
,
Induced Pluripotent Stem Cells
pp.1061-1064
発行日 2013年9月22日
Published Date 2013/9/22
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再生毛包の移植は脱毛症の根治的治療となりうる.マウスでは上皮系細胞と毛乳頭細胞などの間葉系細胞を免疫不全マウスに共移植し毛包再生が可能だが,ヒト毛包再生の技術的ハードルは依然として高い.再生医療に必要な数のヒト毛包組織幹細胞の採取は困難である.ヒトiPS細胞からケラチノサイトに分化誘導する過程で得られる前駆細胞は間葉系細胞からの毛誘導シグナルへの反応性に優れていた.この前駆細胞をマウスの毛誘導能を有する間葉系細胞と共移植すると毛包構造が再現された.iPS細胞からメラノサイトを作製する技術はすでにある.毛乳頭細胞への誘導法はいまだ確立されていないが理論的には可能である.これらを含めたヒトiPS細胞を用いた毛包再生のストラテジーを紹介する.
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