特集 毛髪再生のメディカルサイエンス:毛は生やせるか?
遺伝性毛髪疾患研究の最前線
下村 裕
1
1新潟大学 大学院医歯学総合研究科遺伝性皮膚疾患研究室
キーワード:
変異
,
毛髪疾患
,
発生遺伝子発現調節
,
毛包
,
遺伝的素因(疾患)
,
再生医学
,
Ectodysplasins
,
Wntシグナルトランスダクション
,
Connexin 30
,
TP63 Protein
,
脂質メディエーター
,
Lysophosphatidic Acid
,
P-Cadherins
Keyword:
Connexin 30
,
Hair Diseases
,
Mutation
,
Hair Follicle
,
Gene Expression Regulation, Developmental
,
Genetic Predisposition to Disease
,
Regenerative Medicine
,
Ectodysplasins
,
Wnt Signaling Pathway
,
Lysophosphatidic Acid
,
TP63 Protein, Human
,
CDH3 Protein, Human
pp.1045-1049
発行日 2013年9月22日
Published Date 2013/9/22
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
近年の分子遺伝学の飛躍的な進歩により,ヒトの遺伝性毛髪疾患の原因遺伝子が次々に同定された.それらの遺伝子がコードするタンパク質には,EDA,WNTなどの毛包の発生に必須なシグナル伝達系の構成分子,P- カドヘリンなどの細胞間接着分子,p63などの毛包の発生に重要な多数の遺伝子の発現を調節する転写因子などが含まれる.さらに,ここ数年間の研究から,これまでまったく注目されていなかった脂質メディエーター関連分子が毛包の発生・分化に深く関与していることも明らかになってきた.これらの新知見は,ヒトの毛包の再生に向けた研究を進めるうえで重要なヒントを与えてくれる可能性がある.
Copyright © 2013, Gakken Medical Shujunsha Co., Ltd. All rights reserved.