特集 細胞分裂131年目の真実:分子から動態へ
紡錘体の力学特性
島本 勇太
1
1ロックフェラー大学化学・細胞生物学研究所
キーワード:
セントロメア
,
微小管
,
時間因子
,
紡錘体
,
染色体分離
,
粘弾性
,
機械的現象
,
分子イメージング
,
M期チェックポイント
,
圧電効果
,
自己組織化
Keyword:
Centromere
,
Microtubules
,
Spindle Apparatus
,
Time Factors
,
Chromosome Segregation
,
Mechanical Phenomena
,
Molecular Imaging
,
M Phase Cell Cycle Checkpoints
pp.275-279
発行日 2013年2月22日
Published Date 2013/2/22
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
紡錘体は,分裂期の細胞内に自己組織的に形成されるμmサイズの染色体分配装置であり,細胞増殖や分化の過程で様々な力を発生し,また力に応答しながらその役割を果たしている.その遺伝的,分子的側面が次々と明らかにされ,数百種を超える関連因子のリストづくりは本質的に完了したとさえ言われる中で,この分野は今新たな局面を迎えている.物理的視点と方法論を持ちこんだ定量的な現象の解析によって,力とメカニクスを中心とした未知のメカニズムが急速に解き明かされてきており,近い将来,これらの知見に基づいた新たな機能分子の発見と,この装置の動作原理に対するシステム的理解における大きな変革がもたらされることが期待される.
Copyright © 2013, Gakken Medical Shujunsha Co., Ltd. All rights reserved.