特集 オルガネラ・モデリング:ベールを脱ぐ分子設計図
脂肪滴の形成・成長・分解のメカニズム
鈴木 倫毅
1
,
藤本 豊士
1名古屋大学 大学院医学系研究科分子細胞学分野
キーワード:
Cholesterol Esters
,
Sterol Esterase
,
Phosphatidylcholines
,
Triglycerides
,
脂質代謝
,
肥満
,
リン脂質
,
ノックアウトマウス
,
脂肪分解
,
白色脂肪細胞
,
オートファゴソーム
,
脂肪滴
,
PNPLA2 Protein
Keyword:
Autophagosomes
,
Sterol Esterase
,
Cholesterol Esters
,
Lipolysis
,
Obesity
,
Phospholipids
,
Phosphatidylcholines
,
Triglycerides
,
Mice, Knockout
,
Adipocytes, White
,
Lipid Metabolism
,
Lipid Droplets
,
PNPLA2 Protein, Human
pp.1165-1170
発行日 2011年10月22日
Published Date 2011/10/22
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脂肪滴は単なる過剰脂肪の塊ではなく,膜新生やエネルギー産生などに脂質を効率的に動員し,タンパク質を一時的に貯蔵するなど,多彩な機能を持つ独立したオルガネラである.脂肪滴の体積の大半は脂質エステルで占められ,リン脂質一重層とタンパク質が表面を覆う.このため脂肪滴が形成・成長する仕組みは他のオルガネラとは大きく異なり,また脂肪分解によって縮小する点もユニークである.脂肪滴の異常は肥満,脂肪肝だけでなく,ニューロパチーなど脂質代謝と無関係に見える疾患にも関連することがわかってきた.脂肪滴のライフサイクルを知ることはこれらの疾患研究にも新たな展望をもたらすだろう.
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