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DNA複製と細胞極性をつなぐ経路 癌細胞の異常な形を理解するヒント!
久米 一規
1
,
平田 大
1広島大学 大学院先端物質科学研究科分子生命機能科学専攻
キーワード:
DNA Polymerase I
,
DNA複製
,
Schizosaccharomyces
,
腫瘍
,
変異
,
細胞極性
,
Calcineurin
,
細胞形
,
Checkpoint Kinase 2
,
細胞周期チェックポイント
Keyword:
DNA Polymerase I
,
DNA Replication
,
Mutation
,
Neoplasms
,
Schizosaccharomyces
,
Cell Polarity
,
Calcineurin
,
Cell Shape
,
Cell Cycle Checkpoints
,
Checkpoint Kinase 2
pp.854-855
発行日 2011年7月22日
Published Date 2011/7/22
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- 文献概要
癌細胞では,異常な増殖とともに,その形も異常になることが知られているが,その詳細は不明な点が多い.チェックポイント機構は,細胞に異常が生じた際,その異常を解消するまで自身の増殖を停止させる,生命維持に必須な機構であり,本機構の破綻は細胞癌化の一要因である.一方,細胞極性は,細胞自身の機能発現に必須であり,細胞増殖や分化と連動し適切に制御されるが,その連携制御機構は不明な点が多い.筆者らは,従来,単細胞モデル生物・分裂酵母を使って細胞周期と細胞極性との連携制御機構を解析してきたが,今回,DNA複製チェックポイント機構が細胞周期のみならず細胞極性をも制御することを見いだした.本経路の発見は,癌細胞の異常な形を理解するためのヒントになるのではないかと考えている.
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