特集 臨床所見から考える婦人科画像診断
年齢,月経から考える子宮がん —月経歴から異常子宮出血を読み取る
植田 高弘
1
,
木戸 晶
2
,
野村 昌彦
1
,
小澤 良之
1
,
大野 良治
1
1藤田医科大学医学部放射線診断学講座
2富山大学医学部放射線診断・治療学講座
キーワード:
異常子宮出血(AUB)
,
PALM-COEIN分類
,
子宮頸癌
,
子宮体癌
Keyword:
異常子宮出血(AUB)
,
PALM-COEIN分類
,
子宮頸癌
,
子宮体癌
pp.761-770
発行日 2024年6月25日
Published Date 2024/6/25
DOI https://doi.org/10.15105/GZ.0000005522
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● 異常子宮出血(AUB)を起こす疾患は,子宮筋腫や子宮腺筋症などの良性疾患,子宮体癌や子宮頸癌などの悪性腫瘍,血液凝固障害など重篤な貧血を起こす病態など多岐にわたる.
● 子宮頸癌は40歳台に多く,特に20~30歳台のadolescent and young adult(AYA)世代で全癌に占める子宮頸癌の割合が増加している.初期はほとんどが無症状で,有症状の場合はⅠB期以上の進行癌が多い.異常子宮出血での発症が多く,性交後などに生じる接触出血の頻度が高い.
● 子宮体癌は50歳台後半の閉経後に最も多くみられ,主な症状は異常子宮出血で,比較的早い時期(病初期)から認められることが多い.
● 低悪性度内膜間質肉腫,平滑筋肉腫はともに症状として異常子宮出血が多く,画像も類似することがあるが,予後が異なるので画像上の鑑別は重要である.
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