特集 肺だけが胸部ではない! 縦隔・胸膜・胸壁の画像診断
胸膜・胸腔病変
篠崎 健史
1
,
山本 彩季
1
,
小島 綜一郎
1
,
渡辺 友里子
1
,
杉沢 夏樹
1
,
遠藤 瑠星
1
,
神澤 純
1
,
森 墾
1
1自治医科大学医学部放射線医学講座
キーワード:
胸膜
,
非腫瘍性胸膜疾患
,
胸膜腫瘍
Keyword:
胸膜
,
非腫瘍性胸膜疾患
,
胸膜腫瘍
pp.197-207
発行日 2023年1月25日
Published Date 2023/1/25
DOI https://doi.org/10.15105/GZ.0000004376
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● 胸膜は厚さ0.1mm程度の薄い漿膜で,肺実質を覆う臓側胸膜と,縦隔,胸壁,横隔膜を覆う壁側胸膜からなる.胸膜腔は壁側胸膜と臓側胸膜に囲まれた腔隙で,呼吸運動時の潤滑剤となる少量の胸水が存在する.
● 胸膜腔に貯留した内容が空気の場合は気胸,液体は胸水,血胸,膿胸と呼ばれる.液体の場合は性状により臨床的に診断されるが,特徴的な画像所見を呈することがある.
● 胸膜腫瘍で遭遇するのは悪性腫瘍の胸膜転移・播種や胸膜中皮腫が多く,非腫瘍疾患では胸膜炎後胸膜肥厚や石綿関連胸膜プラークが多い.特に石綿関連胸膜プラークは石綿曝露歴を示す所見であり,肺癌や中皮腫発症の経過観察が必要である.
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