特集 なぜによくわからない間質性肺炎― 疑問と悩みにお答えします―
診断しないといけないのはなぜ?
福井 修一
1
,
江頭 玲子
1
,
山口 健
1
,
中園 貴彦
1
,
入江 裕之
1
1佐賀大学医学部放射線医学教室
キーワード:
特発性肺線維症
,
急性増悪
,
間質性肺炎合併肺癌
,
抗線維化薬
Keyword:
特発性肺線維症
,
急性増悪
,
間質性肺炎合併肺癌
,
抗線維化薬
pp.1330-1341
発行日 2021年10月25日
Published Date 2021/10/25
DOI https://doi.org/10.15105/GZ.0000002552
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● 慢性線維化性間質性肺炎は,多くの癌よりも予後不良な疾患である特発性肺線維症(IPF)の可能性があり,画像で指摘し,精査を勧める必要がある.
● IPFの治療は抗線維化薬が基本となるが,抗線維化薬は線維化病変が進行する前に導入することが重要で,早期診断が望まれる.
● 慢性線維化性間質性肺炎には周術期や抗癌薬使用時における急性増悪のリスク,肺癌の発生母地となるリスクがあり,存在診断やCTでの経過観察が重要である.
● 間質性肺炎の精査を契機に膠原病が診断される場合や,潜在的に進行する線維性過敏性肺炎の診断につながることがあり,患者の予後改善に寄与する可能性がある.
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