特集 解剖と病態生理から迫る呼吸器画像診断
第Ⅱ章 サブマクロ解剖と病変の画像 6 肺既存構造との関係から考える肺結節の鑑別診断 (2)既存構造を破壊する腫瘤
竹中 大祐
1
1兵庫県立がんセンター放射線診断科
キーワード:
肺癌
,
カルチノイド
,
粘表皮癌
,
悪性リンパ腫
,
肺膿瘍
,
肺結核
,
肺真菌症
Keyword:
肺癌
,
カルチノイド
,
粘表皮癌
,
悪性リンパ腫
,
肺膿瘍
,
肺結核
,
肺真菌症
pp.A186-A195
発行日 2020年9月10日
Published Date 2020/9/10
DOI https://doi.org/10.15105/GZ.0000001904
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• 肺実質は,肺胞,肺胞嚢,肺胞道,呼吸細気管支,終末細気管支,細気管支,亜区域気管支などの肺胞気道と,肺動脈,肺静脈,気管支静脈の脈管,小葉間隔壁,胸膜などの既存構造が整然とネットワークを構成し,呼吸機能を司っている.
• 呼吸器疾患は,前述の既存構造を可逆的または非可逆的に破壊する.肺結節病変の増大,進展の際に,これらのネットワークは病変増大の障壁になる場合もあるが,病変拡大の足がかりとなる場合もあり,疾患によりその組み合わせが様々である.このため,結節の画像診断の基本となる結節辺縁が,疾患による特徴を形成する.
• 疾患により発生部位と既存構造破壊に特徴があり,画像診断はその特徴をとらえて鑑別していく過程である.そのために,CT などの画像所見と対比し病変のマクロ解剖を理解することが重要である.
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