Japanese
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特集 時間生物学の新展開
シアノバクテリアの概日時計タンパク質KaiCによる計時機構
Biochronometry by cyanobacterial circadian clock protein KaiC
伊藤(三輪) 久美子
1
,
村中 智明
1
,
近藤 孝男
1
Ito-Miwa Kumiko
1
,
Muranaka Tomoaki
1
,
Kondo Takao
1
1名古屋大学大学院理学研究科生命理学専攻計時機構グループ
キーワード:
概日時計
,
調和振動
,
温度補償性
,
ATPase
,
分子内フィードバック
,
カップリング
Keyword:
概日時計
,
調和振動
,
温度補償性
,
ATPase
,
分子内フィードバック
,
カップリング
pp.507-511
発行日 2016年12月15日
Published Date 2016/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200541
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地球に生息する生物の多くは約24時間周期の時計(概日時計)を持ち,24時間周期の昼夜環境下で巧みに生活している。どの生物種においても概日時計は生体内に生成されるリズムを基盤とし,以下の三つの条件を満たす1)。
①温度や光が一定の恒常条件下で約24時間周期のリズム(概日リズム)が続く。
②温度を変えても周期は変わらない(周期の温度補償性)。
③温度・光などの外環境サイクルに振動が同調する。
これらの条件をすべて満たすことで,初めて概日時計は地球上での生活に役立ち,自然選択の過程で獲得され,維持されてきた。したがって,これらの特徴を裏付けている物質的基礎を説明しなければ,概日時計の謎を解明したことにならない。生命の進化の初期過程(水を分解する光合成とそれに伴う酸素発生,あるいは植物の葉緑体への発達など)を人類に示してくれたシアノバクテリアも概日リズムを示す。本稿では,シアノバクテリア(Synechococcus elongatus PCC 7942)の時計システムの研究について解説する。
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