第1特集 エコーを聴診器のように使おう!
こんなとき,エコーが活きる!
胸部の身体所見×エコー
-─呼吸困難の原因を探る─
石亀 慎也
1
1岩手県立中部病院 総合診療科
pp.1660-1667
発行日 2025年12月1日
Published Date 2025/12/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2025130003
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はじめに
プライマリ・ケアの現場では,「息が苦しい」と訴える患者に日々対峙する.胸部X線検査やCT検査といった画像検査は診断根拠となるが,外来や在宅,夜間・休日の診療では,いつでも即座に実施できるわけではない.診断までの時間を短縮するツールとして,pointof-care lung ultrasound(肺エコー)が普及している1).これはまさに「見る聴診器」であり,リアルタイムで肺の状態を視覚的に評価し,われわれの臨床判断をサポートしてくれる.
本稿では,肺エコーのアーチファクトの詳細な説明よりも,臨床現場での実践に重点を置いた.救急外来,入院病床,そして在宅医療という一連の過程を通じて,肺エコーが各場面でどのように活用され,診断や治療に貢献するのかを具体的に解説していく.エコー画像の記録ができない状況でも活用しやすいように,筆者のカルテ記載例も掲載したため,参考にしていただきたい.

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