股関節の痛みは漢方で血流と栄養の改善を！

股関節痛の治療ポイント

▶ 外科的手術適応外で，股関節痛で長年困っている患者さんは一定数存在し，女性に多い．

▶ 運動器の痛みは組織の損傷により生じることが多く，損傷の修復を念頭に置き治療すると，痛みが軽減されることがある．

▶ 組織が正常であるためには血流がとくに重要で，動静脈で血流のinとoutがスムースに流れていることが前提条件である．

▶ 組織損傷が痛みの要因であれば，その改善には動静脈の血流改善が必須である．

▶ 漢方的には，組織損傷の背景には動脈血流の不足として血虚（血流・栄養不足），そして静脈血流の排泄不良としての瘀血（血流うっ滞）が存在する．

▶ つまり，痛みの要因である組織損傷を軽快させるためには，血虚の治療である補血と瘀血の治療である駆瘀血が必要となる．

▶ 方剤としては，四物湯しもつとうを含む疎経活血湯そけいかっけつとうと駆瘀血剤の桂枝茯苓丸加薏苡仁けいしぶくりょうがんかよくいにんの合わせ技が効果的である．場合によっては附子ぶしを加えることで，治療効果の増強が期待できる．