ナースのための臨床薬理・6
デキストラン(Dextran)製剤—血漿増量,血流改善剤
橘 敏也
1
1聖路加国際病院内科
pp.84
発行日 1967年9月1日
Published Date 1967/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913289
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近ごろ血液銀行の制度が発達し,必要な時に必要なだけ血液をたやすく入手できるようになったし,また乾燥血漿もできて,出血,外傷・中毒による循環ショック,重傷火傷などにおける循環血液量の喪失に対しては,きわめて適切な処置ができるようになった。しかし反面,血液の場合には異型輸血のむずかしい問題があるし,また血液を含めて血漿血清にはウイルス性肝炎の感染の危険も伴う。ところがデキストラン製剤が開発されて,循環障害治療に新しい有力な武器が加わった。
デキストラン製剤には血液にまつわる型の問題,血清肝炎のうれいは全くなく,一般補液薬と同様に用いえて,しかも血漿の働きを代用して血漿量の保持に働く。
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