連載 五臓の働きを知り 補う治療で元気にする!Dr.Shinのよくわかる即戦力漢方 第14回
うっ滞性皮膚炎にどう介入するか?
橋本 進一
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1医療法人若樹会 橋本医院
pp.1074-1080
発行日 2025年7月1日
Published Date 2025/7/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2025080027
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うっ滞性皮膚炎の治療ポイント
▶ うっ滞性皮膚炎の治療で問題になるのは,標準治療である圧迫療法,下肢挙上,ステロイド塗布を施しても改善せず,患者の苦痛が軽減できない症例である.
▶ 下肢静脈瘤が肉眼的にないケースも多く,皮膚炎に留まらず,脂肪織炎や潰瘍形成に至り,黄色の滲出液が亀裂から流れ出るような場合や全身性の発熱が続くような治療困難例もある.
▶ 重症例では西洋医学的治療には限界があり,悪化したまま放置状態のものも存在する.
▶ うっ滞性皮膚炎の本質は,脈管系のうっ滞(瘀血)で,それに伴う慢性の炎症性変化(化熱)である.瘀血には駆瘀血薬,化熱には清熱薬を使用する.
▶ 駆瘀血薬としては

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