特集 血液培養 &グラム染色 に恋せよ
グラム染色編
グラセンに恋せよ!
伊藤 雄介
1,2
1兵庫県立尼崎総合医療センター小児救急集中治療科
2兵庫県立尼崎総合医療センター小児感染症科
pp.52-57
発行日 2024年1月1日
Published Date 2024/1/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2024010011
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はじめに
機会があったら巷の感染症科医のスマホに保存された画像を覗いてみるとよい.そこに は家族の写真や趣味の写真に混じって必ずグラム染色の写真が多数残っているはずだ. 「あなたのイチオシのグラム染色写真を教えてください」なんていえば,嬉々として何枚も の写真を見せてくれることだろう.そう,感染症科医達は恋人や家族の写真と同じように グラム染色写真を持ち歩いているのである(さらに行き過ぎた人たちは待ち受け画面にし ていたりもする).彼らは皆グラム染色に恋をして,毎日グラム染色を飽きずに見ている. ではなぜ彼らはグラム染色に恋をしているのだろうか. “恋は見返りを求めるものであり,愛とは見返りを求めない無償のものである”そんな陳 腐な言葉が恋愛指南書に書いてあったりする.グラセンに恋する.そう,われわれはグラ センから大きな見返りがあるからこそ恋をするのである. では,グラム染色が実臨床でどんな見返りがあるのか,ケースをもとに少し考えてみて いきたい.
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